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目が覚めるとマミはいなかった。あいつがいなくてほっとした。でもオレを置いて帰るなんて薄情な奴だ。マミに文句を言おうとケータイを開いた。16:40だった。17:00からバイトだ。
「やっべっ! ざけんなよっ、あのクソ女!」
パンツとズボンしか脱いでいなかったのが幸いして、40秒ぐらいで部屋を出た。エレベーターがなかなか来ない。ボタンを連打しても意味がないことはわかっている。
降りてきたエレベーターにはイチャつく中年カップルが乗っていた。最悪! キモッ! そう思いながらも仕方なく乗り込む。
こんな状況にあるのは、あのバカ女がオレを起こさなかったからだ。マミを痛烈に罵りたくなる。
「やっぱり、した後は化粧のノリがちがうわ」とババア。
「艶々してるよ」とオヤジ。
かなりキモいんですけど。耳打ちしてても聞こえてるぞ。急いでフロントに鍵を返すと「お客さん!」と呼び止められる。
「延長料金、4000円頂きます」
マジかよ。入る時にも金払ったのに。くそっ! マジありえねえし。
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