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俺は女の肩を掴んだ。
細いけど柔らかい肩だった。
大丈夫? とオレが訊くと、女は虚ろな瞳で顔を上げた。
空気がとろける。
「キスしようか」
「うん」
どちらが「キスしようか」と言って、どちらが「うん」と言ったのかわからないが、唇を合わせた。
やっぱり唇も柔らかくて、なによりも気持ち良かった。
オレはそれをもっと濃密に感じたくて、できるだけ唇を緩めた。
今まで生きてきたなかで、こんなに柔らかいものをオレは知らない。
酔っているせいなのだろうか。とにかく柔らかいのだ。
オレは堪らず女の腰を引き寄せた。
女から吐息が漏れる。
オレは何故か涙が出そうになって、それはよくないと思い舌を入れた。
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