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殿もそれを感じ取っているのか、いつものような顔をせず険しい表情のまま惇さんに近寄った。
「帰ってきたのか惇。…悪いがこれから儂は弥生と…」
「…そのことについてお前に話さねばならんことがある!」
「何だ?」
「あらかじめ言っておく。俺はお前の道を切り開く。その気持ちは今でも変わってない。だが…」
「…それは幼い頃から知っている。手短に話してみよ」
「こいつは…弥生だけは孟徳、お前には渡せん!」
惇さんは私の腕を掴み、自分の方へ私を引き寄せた。
えっ…?
ええぇぇ~!?
こ…これは一体何?
わ…私…夢でも見てる?
もしくは現実逃避してる?
だけど…惇さんの温もりが伝わる…
夢じゃ…ないの?
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