四章

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「ねぇ、きいてんのっ」 一稀は僕の頭を人差し指で小突く。 「え、あ、ああっ、わかったよ。かずき。」 "かずき"と呼んだ事で更に、かああ、と顔が赤くなる。 僕はかずきの頭を撫で、好きだよ、と聴こえない様に呟いた。 「んっ?」 「ううん、なんでもないよ」 「もーっ、またそうやって‥‥」 幸せを手に入れると、人は盲目になるものだ。 ‥‥此の幸せが、いつまでも続いて欲しかった。
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