一章

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「一稀、逢いに来たよ」 僕は彼女の大好きだったオレンジジュースと線香を持って、彼女の墓碑の前に来ていた。 生憎の雨。花瓶には花束一つ無い。 僕はいま此処に居るべきじゃない。 いや、厳密に云えば、此処に居るべきなのは僕じゃないんだ。
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