一章

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「じゃあ・・何なんだよ」 はぐらかされているような気がする・・ 何をそんなに焦らなければいけなかったのか・・ 「お客様の笑顔が最高の価値だろ?」 そう言って男はさらに顔をニヤつかせた・・・ 今までで一番嘘臭いセリフ・・だった・・ 「兄ちゃんはその恋人に殺されたショックで 記憶喪失になってるんだよ」 ・・・・ そっか・・ やっぱり・・・ そういえば自分の名前すら思い出せない・・ 「兄ちゃんの名前は 星村 雄飛だったけな・・」 星村・・雄飛・・ 変な名前・・ 思わず吹いてしまいそうだった・・ 「なぁ・・地獄から帰る方法一つだけ あるよ・・知りたい?」 「え!お前さっき もう・・無理っ・・て」 「まぁ、普通にいったら無理って事だよ・・」 自分の中の警戒音が激しくなり響く・・ この先は聞かないほうがいいと・・ でも・・ 「どう言う・・意味だよ・・」 知りたかった・・ この男のいう事を信用する訳じゃ無い・・ でも・・目の前の出来事を否定する気には もう・・なれなかった・・・ 「つまり普通じゃ無い方法を 俺は用意出来るって事・・」 「だから・・もったいぶるなよ・・ つまりなんなんだよ」 「お前の魂に合う肉体を紹介してやるよ・・」 ・・・ ・・ は・・? 「俺の売るものは人の肉体・・ つまり器売りなんだよ」 ・・・ 器・・肉体・・ 「えーと・・」 つまり俺の魂を 別の死んだ肉体にぶち込むって・・事か・・・? 「ピンポ~ン、正解! 冴えてるねー」 目茶苦茶だ・・ 人が生き返るってそんな単純な事なのか? 「星村雄飛・・ 兄ちゃんを生き返らせてやるよ・・」
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