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彼は求めた。
それがやがて己の苦悩になるとは夢にも思わず、只己が永年望めども叶わぬ【夢】が叶うと信じ、一枚の紙に数字を並べ託した。
託した【夢】、それは己の半身となり、暗がりに【天使の梯子】が射し、徐々に光明が広がって【夢】から【希望】へと変わった…ハズだった❗
だが、手にして幾時からか【夢】に陰がつきまとって居た。初めは気にも泊まらなかったが、ある日【月】から警鐘を受けた。
「【夢】は【希望】にも【絶望】にもなる。
嘗て【夢】により【悪夢】へと落とされ掛けた者も居る、それを努々忘れるな!」と…
この時彼はその警鐘の意味を本当の意味では理解して居なかった。
幸福と言う【露】で彼の中の【希望】がスクスク育って居たが、時々【月】からの警鐘が脳裏をよぎる。
彼は思った。
「【月の警鐘】確かに無碍には出来ない。だが、誰にでも過ちはある。
ならば、その過ちを自分の誠意で止め、引き戻す事も可能なハズ…過去を無き物など出来はしないが清算する術はきっとある。」
やがて【月の警鐘】が形になってくるが彼は、誠心誠意を持って、時には【癒やす者】、時には【裁く者】、又時には【写し出す者】となり【夢】を維持させた。
しかし、世界は残酷だった❗
【夢】と共に射した光明に紛れ【試練】が彼と【夢】の間に入り彼の想いをねじ曲げ【夢】に伝え堕落させやがて【悪夢】に帰る。
彼は【試練】により【夢】に想いを伝えられず、遂には【絶望】と言う奈落の底に幽閉されたのだった。
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