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「……る…瑠璃丸?」
無様に広がった金色の瑠璃丸。
私の顔は青ざめていった。
死…。
確実にこの後に待っているものは私の死だ。
そうだった。
いくら黄金色に輝いていたって、瑠璃丸だって…ただの虫。
昇りかけた太陽の光が瑠璃丸に降り掛かり、益々黄金に輝いてゆく。
「嘘…。マジで?私、何か悪いことした?ちゃんと真面目に働いてたじゃん…。
いや、確かに年寄りとか子どもに酷いことしたよ?
で、でもさ…あんまりじゃね?
…叫ぶな。
叫ぶんじゃないぞ…。
叫んだら奴らがやってきて私は腹切れって言われるよな…。
嫌だな~。
絶対痛いよな~。
てか、私侍じゃないし。
女だし。
いや、プライドは捨ててたけどさ…」
混乱してしまって、ぶつぶつと愚痴を言い出した私。
どうしよう…。
腹、切りたくないよ…。
遠くから土方さんの声が聞こえた…。
心臓が悲鳴を上げる。
「オイ、皆。
局長の言ったことでも嫌なことは嫌といっていいんだぞ?」
嫌なことは嫌といっていい?
近藤さんは何人かの隊員と蜂蜜を体中に塗りたくって、瑠璃丸を捕獲しようとしていた、
ん?
蜂蜜?
蜂蜜って…工夫を凝らせばピンピカに光るかもしれなくね?
私の悪戯魂に火がついた。
「いや、忘れてたな。
私の特技は言い訳を考えることと人を脅すことだったな…(黒笑」
言い訳を考えることなんぞ、
簡単だ…。
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