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土「…………」
俺はそのまま中身がなくなった弁当箱を机の上に置いた
そしてなにごともなかったかのように机に向かい、書類を手に取っていく…
「トシー、ちょっといいか?」
障子の向こうから声がかかる
俺を下の名前で呼ぶのは屯所では一人しかいない…
土「近藤さん、開いてるから入ってもいいぜ」
俺がそういうとすぐに障子が開く
そして近藤さん、と俺が呼んだ主が入ってきた
近「悪いなー、トシ。まだ仕事中だったんだろ?」
土「どうってことねぇよ。それより…なんの用だ?」
近「あぁ…大した用じゃないんだかな…ん?トシ、その後ろにある弁当箱……」
土「あぁ…さっき万事屋がやってきて置いてったんだよ…」
そういいながら煙草に火をつけ、煙をゆっくりと吐き出す
近「しかしもう空っぽだな…もう食ったのか?トシ」
土「……まぁ、な」
近「万事屋の作った弁当かぁ…一度食ってみたいなー…」
土「なんなら今度頼んでやるぜ」
近「ホントか!?トシ!でも万事屋も大変なんじゃ……」
土「構わねぇよ…作る弁当が一つや二つ増えたぐらい…」
近「それに…お前ら付き合ってるしな……」
土「構わねえって…弁当作るぐらい…」
近「ありがとな、トシ!今度万事屋になにか奢るっていっといてくれ」
土「あぁ…伝えとく……」
弁当ぐらい構いやしねぇよ…
俺はアイツのことなんて好きでもなんでもねぇんだからな……
近「ということだ…じゃあ俺は部屋に戻るからな」
土「あぁ……」
そういって近藤が土方の部屋を後にしようとしたとき、ゴミ箱が目に入り……
近「……っ!?」
目に飛び込んだのはゴミ箱の中に散乱する弁当の中身だった……
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