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いくら嫌でも必ず次は来る。
次の週、またその時間はやって来た。
少し躊躇いがちに落書きを見ると、
『Forever love』と書いてある下に、
『2年4組、木原 龍也(キハラ リュウヤ)。りゅうやだぞ、たつやじゃねぇからな』
と綺麗な文字が書いてあった。
(うそ、タメなんだ……。しかも男)
アタシはその名前を覚え、その下に自分の名前を書いた。
それからアタシ達は、何度か落書きを交わす内に仲良くなっていった。
と言っても実際会ったことなんてなく、どんな人か見に行ってもいつも何処かへ行っていて、その姿を見ることは出来なかった。
でも、それで良かった。だから、「落書き仲間」ってことで、アタシの中でこれ以上の変化はないと思っていた。
最初は、
『幸子? 古そうな名前だな(笑) ホントにタメか?』
『うっさい! アンタこそホントにタメ? いっつも見に行ってもいないじゃん』
『見に来てんの? 何、気になった?(笑)』
『そんなんじゃねーよ、バカ』
なんて他愛もない話だったが、繰り返すにつれ話したいことも増えていき、長文が多くなってきていた。
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