机の上の世界

5/7
前へ
/12ページ
次へ
いくら嫌でも必ず次は来る。 次の週、またその時間はやって来た。 少し躊躇いがちに落書きを見ると、 『Forever love』と書いてある下に、 『2年4組、木原 龍也(キハラ リュウヤ)。りゅうやだぞ、たつやじゃねぇからな』 と綺麗な文字が書いてあった。 (うそ、タメなんだ……。しかも男) アタシはその名前を覚え、その下に自分の名前を書いた。 それからアタシ達は、何度か落書きを交わす内に仲良くなっていった。 と言っても実際会ったことなんてなく、どんな人か見に行ってもいつも何処かへ行っていて、その姿を見ることは出来なかった。 でも、それで良かった。だから、「落書き仲間」ってことで、アタシの中でこれ以上の変化はないと思っていた。 最初は、 『幸子? 古そうな名前だな(笑) ホントにタメか?』 『うっさい! アンタこそホントにタメ? いっつも見に行ってもいないじゃん』 『見に来てんの? 何、気になった?(笑)』 『そんなんじゃねーよ、バカ』 なんて他愛もない話だったが、繰り返すにつれ話したいことも増えていき、長文が多くなってきていた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加