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バストゥーク共和国の外、グスタベルグの荒れ地を貫く街道。 殺伐とした風景に映える蒼、それを横目に見ながら暗黒騎士の私は敵に向き直った。 犬のような可愛らしい耳とくりっとした大きな目、そして不釣り合いなマスクをつけ、不釣り合いな斧をもつソイツ。 「ゴブリン……ですか」 「行くぞ」 私のLSのリーダー、ラクトさんはにやりと口元を吊り上げる。 私も他のメンバーも皆余裕そうな顔をしているけど、ミスラの親友と白魔道士のガルカの青年は青ざめてる。 その理由は。 「……リンクしてね?」 リンク、敵と戦っているときにさらに敵が襲いかかってくること。 つまり戦闘不能になるかもしれないということ。 「まぁ、いけるだろ」 「嘘つけぇえ!! 今まで何回それで困ったことになったと――」 「まぁまぁ落ち着いてリンゼイ。今の私達のレベル考えたら大丈夫」 暗黒騎士の私――アナシスタの親友であるリンゼイがラクトさんに怒鳴り散らした。
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