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随分、暗くなってきた、夕日が沈みかかっているときに…
「ねぇ、仁、最後に観覧車乗ろう?」
俺の手をしっかりと握りながら観覧車の方に向かうかめ。
引っ張られるように観覧車の方に歩いた。
「2名様ですね?足もとにお気をつけて乗って下さい。」
係員のお姉さんにそう言われて、中に入る。
シンと静まる観覧車の中。
かめは外に見入っている。
遊園地の中、全体がライトアップしていて綺麗…
「仁、外キレイだよっ」
子供みたいに、昔みたいに可愛い笑顔で言うかめ。
お前の方が綺麗だよ、なんてクサイセリフ言えないけど、本当にかめの方が綺麗だと思ったんだ。
切れ長の目に、長い睫毛、薄い唇も余分な肉なんかついてない細い身体。
キラキラ光る外の景色も、かめが綺麗で目に入らなくて…
「かめ…」
ガタッ
「わっ、仁どうした?」
いきなり立ち上がった俺を見て不思議そうな顔をするかめ。
向かいに座ってるかめの隣に腰を落として、ギュッと抱きしめた。
「じ、ん?」
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