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薄暗い部屋。
明かりなんかない、暗闇の世界。
ここに来たのは、自分の意志だろ?
俺がムリヤリ…連れてきた…?
「ゆ、ゆういち…トイレ、行かせて…」
竜也の柔らかそうな分厚い唇から漏れる声。
耳を疑った。
まさか、そんなことを言われるとは…
また分厚い唇が開く。
「ゆういち…おねが、い…」
大きな瞳で俺を見る。
その瞳の中には俺の怪訝そうな顔。
トイレに行きたいの…?
なんで…?
人間だったら、"なんで?"っていう質問は間違っていると思うけど…
"人間"…じゃないもんね?
「逃げるつもり?」
「ちがっ…ゆういち、トイレ…」
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