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「……ねぇ、エドガー」
「あ?何?」
肩越しに頭だけ振り返る。
アイリスは、にっこりとしながら嫌味を込めて言い放つ。
「誰が私の事、着替えさせたの?」
確かに自分は森の小道に泥だらけで倒れていた。エドガーが言うには、エリックが拾ってくれたと言う。
そして、今自分はだぼだぼの青いパジャマを着ている。
髪も泥どころか、艶があり、サラサラだ
「もしかして、エリック……?」
その瞬間、「はあ!?」と言うと勢いよく振り返る。
「違うっつーの!!兄貴はお前みたいな女に興味ねぇって…」
「それも、どういうことかな?」
「――…」
アイリスの気配が冷たくなった事を感じると、頭を掻いた。
「チッ……使用人だよ、使用人!!!俺達の家には何人か、使用人が居んの!
分かったか、ブス女」
「……しよう…にん?」
聞き慣れない言葉に、もう一度聞き返す。
「貴方の家、使用人が居るの!?」
「意外」と言うと、エドガーの目が鬱陶しげに細められる。
「居ちゃわりぃかよ……」
むすっとすると先を歩いていく。
「わ、待ってってば」
慌ててエドガーの後を追う。
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