序章

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反論すべく俺も少し声を荒げる 互いに相手を睨みウ~ッと唸る              「はいはい、そこまで。夫婦喧嘩はおしまい。」 俺達二人の間に割り込むように男子生徒が介入してくる 「本当にあんた達仲いいわね」 蓮奈の後ろから女子生徒が呆れたような声を出して男子生徒の仲裁に続く              「あのなぁ、耀介。何回も言ってるが夫婦喧嘩じゃねえよ」 持っている箸で男子生徒を差す 彼の名は藤堂 耀介(とうどう ようすけ)              こいつも幼馴染みで大抵こいつと一緒に行動している・・・が高校に入ってからは別行動を取るようになってきた              耀介は俺の言葉をそうかい・・・と受け流して身近にある椅子を引っ張ってくると俺と蓮奈の横に座る              「由貴・・・、私達のやりとりのどこが仲良さそうに見えるのよ・・・」 蓮奈も後ろから現われた女子生徒に反論の意志を含んだ質問をする              「だってほら、喧嘩するほどなんとやらってね」 蓮奈の質問を微笑みながらやんわり返す              彼女の名前は藤崎 由貴(ふじさき ゆき) 小学3年生の時にこっちに引っ越してきたちょっとしたお嬢様だ              「じゃあ二人に改めて言うよ(わ)俺達(私達)は夫婦でもなんでもない」 同じような内容を二人同時に耀介と由貴に言う              二人は互いに視線を合わせると肩をすくめた
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