1話~出会いと再会~

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こうして、無事に合併を終えた銀山高校。 高杉は涼子と教室で居残っていた。 これから直ぐある行事の数々をクラス委員である2人は的確に進めて行かなければならない。 高杉はチラリと涼子を見た。 彼女は笑っている。 「高杉君~伊達眼鏡何処で買ったの?」 高杉が何かを言う前に涼子が問う。 それも的確に高杉の隙を付くような言葉を選んで。 「あの・・・」 「あぁ~良いよ?素で話す気は無いんだよね~?大丈夫あたしそれ位は分かるからさ」 涼子は相も変らず笑っている。 「でも高杉君の素は見たいな~って思うんだけど駄目?」 高杉は驚愕していた。 「あっれぇ~?共学になってバレたから驚愕?プッ面白い~あたし天才!?共学で驚愕って・・・」 涼子の寒い親父ギャグ等、耳には入っていない。 高杉は内心焦っている。 自分は一切ボロを出していない。 ましてや初対面。 なのに何故彼女は自分が偽って生活している事を知っているのか。 疑問が浮かぶ。 「あぁ~あたし結構、勘が鋭いらしくて」 その疑問を口に出す前に答える涼子。 彼女の言う通り確かに勘は鋭いらしい。 人の考えて居る事まで先読みする辺り、高杉は関心すら覚えた。 「・・・何の事かサッパリ分からないですよ桂さん」 高杉はそう言って偽りの姿を通した。 「高杉君って賢いよねぇ~」 涼子は微笑む。 「知ってる?秘密がバレるのは本人が認めた時なの。」 涼子はそのまま続ける。 「証拠があっても99%真実でも、最期の有力な証拠は本人。本人が認めないとあたしの言う事が本当でも真実では無いの」 涼子はそう言って右手を高杉の前に差し出した。 「ねぇ?あたし面白い人大好きだからさ。よろしく☆」 それは握手を求める手だった。 高杉の脳内で危険だと誰かが呟く。 その手を取ればもう偽りの仮面だけでは生活できない。 何となくそう思った高杉。 だが、自然に左手が出た。 右手を差し出す涼子に高杉は左手を差し出した。 『これからもよろしくね』 『あぁ、分かってらぁ』 高杉の脳裏に声が響き渡る。 前世での記憶がまるでパズルのピースのように1つ埋まった。 「よろしく」 「はい・・・よろしくお願いします。」 握手。 過去と現実が重なった瞬間。 高杉の記憶はこれを堺にどんどん思い出していく事になる。 だが、まだ誰もそんな事を知る人物は居なかった。 続く
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