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肌を刺すような冷たい風が吹きつける冬の朝
しかし乗り込んだラッシュの電車は、暖房と厚着した人々の熱気で汗ばむほどの暑さだった
吐く息を白く変える外の寒気が恋しく思える
毎朝のことながらうんざりする混雑の中で、チャミはバランスを崩さぬよう、ユウの腕につかまっている
『大丈夫?』
チャミと向き合う形で腰に手を回し、抱き寄せてくれているユウが小声で気遣う
『はい、大丈夫です』
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