【始まり】

5/12

296人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
私は基本的に怖がりだ。だから道を歩いて、頭から血を流した人が 〔うぅ……助け…て…〕と言われても、固まるか・泣きそうになる。 『どうしたの?気分でも悪い?』 『…だ、大丈夫……』 〔お、前…見えてるんだろ…な…ぜ…ムシするんだぁぁぁ!〕 《うぅ、怖いよぉ…》 とこんな事がよくあった。でもまだましだ。あれは仲良くなった友達と買い物中。 女の人とすれ違った。 《あれ?今の人………ま、いっか?》 その時だった。 肩にそっと手を置かれ、後ろから顔が近付く気配がする。 《!!!?》 私は恐怖で動けない。友達は目と鼻の先にいる。 〔…あなたの…身体をちょうだい〕 《!!!!!!》 『あれ?どうしたの!顔真っ青だよぉ!』 友達の一言で、その女の人の気配が消えた。 私の日常であった。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

296人が本棚に入れています
本棚に追加