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…その時だった。
「しっかり掴まってるんだよ」
そんな声が不意に背後から聞こえた。
それと動じに背中を力強く押され、
いつものように大きな揺れがブランコ本来の楽しみを生んだ。
「うわーっ!」
ママが危ないと言ってやってくれない未知の領域まで上げられたブランコ。
いつも小学生を見て、羨ましいと思っていた。
お腹の中がこしょばゆいあの感じが体に走り、
キャキャッと叫んで喜ぶあたしの背中を声の主は何度も押した。
「はい、おしまい」
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