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いつもはあたし達のブランコを押すのはママの役目。
そうやってついた小さな揺れを頼りに、
不規則なリズムで動かす足が止まらないブランコの揺れを生む。
一生懸命こぐブランコは、まるで震度1の分からないくらいの地震みたい。
いつもの高いスリルを感じるような動きがなく、
それは幼いあたしを苛々させるには十分なものだった。
まだ来ない足の遅い弟を待つのも面倒で、
かと言ってここから動けば小さな弟はあたしを見つけられずに泣き喚く。
ママに怒られるという負の連鎖を想像すると、
やっぱりあたしは震度1のここにいるしかなかった。
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