0 ブランコの揺れ

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そう言ってブランコを止められ初めてあたしはその人を見た。 「楽しかったかな?」 とても優しそうなお兄さん。 「うん!」 彼に対して怖いとか危ないとか、そんな感情を抱くような年じゃないあたしは、 「もう1回!」 金髪という明るい髪色をしたそのお兄さんに笑顔ですがった。 「紗珠ちゃーん!」 ゙いいよ゙って、 笑顔を見せたお兄さんがもう一度背中を押そうとした瞬間。 「どこー?」 弟の樹也が、公園の入り口からあたしを呼ぶ声が聞こえた。 「あ、樹也だ…────ッ!!」  
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