0 ブランコの揺れ

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突然反転したあたしの視界。 押さえ込まれた口は、 息をすることすら出来ないくらい強く塞がれて。 「… ──ッ!ゥーッ!ン…ッ!」 荷物のように簡単に脇へ抱え込まれたあたしには、 為す術などなかった。 「いやぁぁああぁぁぁ!」 最後に見た景色は、真夏の太陽が照りつける公園の入り口。 弟の樹也が泣きながらあたしを呼ぶ姿だった。  
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