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「―――さて。
貴女たちがこの家に来たということは、助言者である私に話があるということ。
聴きましょう、貴女たちの話。
そしてそれが必要ならば、貴女たちが進むべき道を示しましょう。
でも―――、忘れないで。どうか忘れないで。
私が貴女たちにどんな道を示そうとも、最後に全てを決めるのは、どんなときも本人であるということを。
全ての鍵は、本人の手の中に在る」
二人はテーブルを挟んで、ソファーに腰掛け凛と向き合っていた。
険しい凛の視線と、エレナの強い視線が一瞬だけ、重なる。
そのエレナを見た凛は、ふっと表情を和らげた。
「貴女はそのことを、もう知っているようね。
でも―――。
これからも、どうか心に留めておいてほしいの」
「―――はい。分かりました」
しっかりと、エレナは頷いた。
「エルダもね。約束して頂戴」
「ええ、必ず」
エルダもエレナに習って頷く。
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