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凛は安心したように微笑し、
「どうぞ、お菓子も食べて頂戴。お口に合うかどうかは分からないけれど」
そう、皿に載せられたお菓子を勧めた。
「美味しそうです。頂きます」
エレナはリーフパイを一枚つまみ、口に運んだ。
そして幸せそうな笑みを浮かべて、
「美味しい!これ、凛さんがお作りになったんですか?」
「まさか。作ったのは、ティナよ。
お菓子作りの腕は一流なの、彼女。毎日美味しいお菓子を作ってくれるの。
でも、つい食べ過ぎちゃうから、太らないように調整するのが大変で」
「凄いですね、ティナさん。
王宮のお菓子は、いつも特別なものばかりで……。そんなものに税金をかけなくてもいいのに、高級品を出すんですよ?
税金は何の為に在るのか、一度考えるべきだと思うくらい」
「まぁ、それは贅沢な悩みね。王女様は王女様で大変なのかしら」
優雅なティータイムのような空気が流れる中で、エルダは特に話すこともなく、ずっと黙っていた。
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