すれ違う三つ

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凛は安心したように微笑し、 「どうぞ、お菓子も食べて頂戴。お口に合うかどうかは分からないけれど」 そう、皿に載せられたお菓子を勧めた。 「美味しそうです。頂きます」 エレナはリーフパイを一枚つまみ、口に運んだ。 そして幸せそうな笑みを浮かべて、 「美味しい!これ、凛さんがお作りになったんですか?」 「まさか。作ったのは、ティナよ。 お菓子作りの腕は一流なの、彼女。毎日美味しいお菓子を作ってくれるの。 でも、つい食べ過ぎちゃうから、太らないように調整するのが大変で」 「凄いですね、ティナさん。 王宮のお菓子は、いつも特別なものばかりで……。そんなものに税金をかけなくてもいいのに、高級品を出すんですよ? 税金は何の為に在るのか、一度考えるべきだと思うくらい」 「まぁ、それは贅沢な悩みね。王女様は王女様で大変なのかしら」 優雅なティータイムのような空気が流れる中で、エルダは特に話すこともなく、ずっと黙っていた。 .
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