すれ違う三つ

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「……はい」 エルダだって、自覚している。 相手は王族。 自分は只の使用人。 手の届くことなんてあり得はしない、遠い存在だということを。 「……どうして、ですか?」 「え……?」 「どうして最初から、“あり得ない”と決めるんですか? どうして、“もしかして”を考えないんですか?」 「そりゃ、相手は王族ですし……」 「相手が王族だからと言って、抑えられるほどのキモチなのですか?」 「そ、それは……」 「エルダさんが言っていることは、そういうことですよ」 「違います!抑えられるわけないじゃないですか」 そう言って、エルダは視線を伏せた。 本心からの言葉だった。 .
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