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「俺は、エレナ様の隣で、殿下の笑顔を見ていることさえできれば、それでいいんです。
これからのエレナ様の歩かれる道が、少しでも平坦であるように。
その為のお力添えができたなら……」
「それ以上のものは、何も望まないと?」
「はい。使用人の分際で、それ以上のものを望む資格などありません」
「……そう、ですか」
少しだけ微笑みながら言葉を紡いでいくエルダを見ていたティナは、ふと表情を曇らせた。
シャン。
部屋の壁にかけられた鈴が、二人の会話を中断させた。
凛がティナを呼ぶ合図の鈴の音である。
ティナは椅子から立ち上がり、エルダに一言告げて部屋を出た。
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