すれ違う三つ

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「貴女はもう、こんなにも傷ついているもの。 ……頑張ってね」 凛の手を、エレナの小さな手が包んだ。 そのまま、ぎゅっと握った。 「凛…、さん……。私、絶対に王国を護ってみせる。 この命を捧げても、必ず。私の契約と存在が忘れ去られてしまっても、後悔しないように」 「いいえ、貴女の存在を知っているヒトが、全て死んでいってしまったとしても、私だけは覚えてる 。永遠に近い時間の中で、私だけは覚えてるわ。 だから、思いっきりやってきなさい。自分の心が決めたままにね。 全ての鍵は、本人の手の中に在る」 「はい……」 エレナは静かに瞳を閉じた。 涙はまだ、静かに頬を伝っていた。 .
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