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「……戦争も、同じよ」
アンヌのその言葉に、エレナは鋭い視線で応じる。
そして重々しく頷いた。
「……ええ、分かってる。姉さんの騎士は、私が務めてみせるわ。そしてこの国を、人々を護ってみせる。ただ────……」
「“ただ”?」
エレナは、アンヌが使っていた白い駒の中から、キングを選んで音もなく手の中に収めた。
「私は確かに騎士だけど…、女王であることを忘れないで。そしてアンヌ姉さんは────」
先程持った白いキングを、腕を軽く振ってアンヌに放った。
アンヌはそれを危なげなくキャッチして、ゆっくりと手を開く。
少しだけ黙り込んで、そして、
「主人だけど、同時に王でもある……。しっかりと、覚えておくわ」
アンヌはエレナの透き通った蒼い瞳をしっかりと見据えた。
エレナも、アンヌの瞳を見つめ返す。
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