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ぼんやりと頬杖をついていると、双子が近付いてきた。
「アカ兄、」
レンが何か言いたげにして、少し逡巡して口を噤んだ。
普段はハッキリ物を言うリンですら目線を逸らし唇を閉ざしている。
そんなに変な顔をしていただろうか。
ぐしゃっと前髪を掴み、双子に笑ってみせてやる。
「俺は、アイツとは違うから」
あまりうまく笑えていないのか、双子が僅かに眉を寄せた。
そんな顔しなくていいのに。
(俺はアイツとは違うから、別に好きなんかじゃない)
(大丈夫、好きなんかじゃない)
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