第2章 導かれし出会い

8/9
前へ
/17ページ
次へ
明人「いやいや、改まってお礼を言われるとむず痒いよ。」 と頬を掻く。 真「あ、そうだ。 シルバーの治療費……」 明人「は結構だよ。」 治療費の事を切り出すが即座に遮られた。 明人「勤務外だし、それに良いものを見れたし、治療費は気にしなくていいよ。」 きょとんとする真に明人は一枚のメモを渡す。 明人「私の診療所の事が書いてあるから、困った時はいつでもおいで。」 真「え、あ、ありがとうございます。」 再び頭を下げる。 明人「じゃあ、またね。 ……」 真「真、『天翔 真』です。」 言葉に詰まった明人に自己紹介をする。 明人「はは、じゃあまたね。真君。」 立ち去る明人。 真「矢追……明人。 ……獣医か……」 その背中を見送る真の目は自らの進む道を見つめていた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

195人が本棚に入れています
本棚に追加