第1章 重過ぎる罪

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そう棺の前で呟くのは『天翔 真』(あまかける まこと)当時12歳。 そして、棺に入っているのは、その棺の大きさに対し小さすぎる少年『神代 勇』(かみしろ ゆう)12歳、真の従兄弟である。 真を助け高台から落ち、その命を落としたのであった。 真「う……うぅ……」 葬儀は終わっているが真は未だに棺の前で泣いていた。 父「真……」 母「ほら、そろそろ……」 棺から離れない真を説得する両親。 当然である、勇は物心つく前に両親を失い天翔家に貰われ、真とは兄弟同然に育ったのだから。 真「勇……勇……」 泣きながら何度も目を覚ますことのない亡骸に語りかける。 真「こんな事なら、いっそ僕が落ちればよかったんだ……」 父「真!?」 真の発言にショックを受ける。 真「僕が勝手に立ち入り禁止の所に入ったから勇がこんな事になったんだ…… だから、僕が死んだ方が……」 その瞬間、渇いた音が響く。
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