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『遠くの空を見よう。乾いた空を見よう。きっと、見える。
僕が僕であるために、君が必要なんだ。いつもいつも、笑っている君が。
夜に出かけてみよう。きっと見える。いつまでもいつまでも、そこに居る君が』
それは優しいリズムだった。歌と言うよりは詩のように、淡々と告げている気がしないでもない。
しかし、彼女が歌うと悲しい歌のようだった。
何故か胸が苦しくなる。
『どこまでもどこまでも、同じ道筋を辿っては、ほら、また、君はずっとそこにいる』
それは、死神が私に告げた、レクイエムだった。
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