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~中の人 視点~
「あ"~!暑い熱い厚い」
今日はバイト初日、意外と時給がいいなぁと思ってこの人形の中に入るバイトをしたが…いかんせん暑い!
夏場だからか暑さ倍増、中の湿気は最早この世の物とは思えない程だ。冬場にすればよかったと本当に後悔している。
まぁ、時給は良いし子供に風船やったり頭撫でたり記念撮影すればいいだけだから楽な仕事だ。とりあえず頑張ろう。
「暑い…この暑さに頑張ったお礼にかわいい娘とかが現れてくれないかな~」
周りを見渡すが家族連れやカップル中心だからな…。かわいい娘が一人でやってくるなんて夢の様なシチュエーションは無いだろな~。
「あっ、あの…」
ん?誰かに呼ばれたような…いやでも俺は今人形だからしゃべれる訳ないし…。
「あ…あなたです。そこのマスコットの…」
…俺?
正面を見ると……女の子が俺を(人形だけど)上目づかいで見ていた…。か、かわいい。考えたシチュエーション通りだ!
「あのちょっとお尋ねしたい事があって…あそこに来てほしいであり…ほしいんですけど」
…一応仕事あるし、放棄できないけど…。
男はいつ何時もかわいい娘には弱いんだよ。
と思いながら何の疑いも持たずに意気揚々にのうのうとついて行ってしまった。
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