1.『寂しい家族』(犬)

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  「ほら、おいで?」 御主人様、どうしたの? 「君の名前は何が良いかな…」 僕? 僕に名前をくれるの!? 「そうだ、茶色いからブラウンってどうだ?」 嬉しい! 僕初めて名前を貰ったよ! もっと僕を呼んで! 「わふわふ!」 「そうか嬉しいか、今日から君は家族だよ」 僕は御主人様の車に乗って、大きな家に着いた。 とても広くて僕は緊張してうろうろしちゃった…、御主人様は僕に服をくれた。 白いシャツに尻尾が出る穴がある青い半ズボン、首輪はオレンジ色で緩めに付けてくれたよ! 「ブラウン、家族を紹介するね」 「わふ?」 黒いスーツを着た御主人様は、僕の前に二つのお人形を持ってきてそれぞれを椅子に座らせた。 「良いかい?頭に青いリボンを付けてるのが娘のルーン」 「わふ、」 「よし、いい子だね。そして隣に居るのが息子のロイだよ」 そういって御主人様は、二つの人形に優しい目を向けて微笑んだ。 僕は早くルーンとロイと遊びたくて御主人様のズボンの裾を噛んだりしてみた。 「こらこら、あんまり強くしなければ、二人と遊んで良いからね」 わふ! と返事をした僕はルーンとロイの手をとった。  
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