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 思いもしなかった。まさか自分が虎視眈々と狙っていたポジションがこうも容易く空席になろうとしていたのだから。  今日はついてるぞ。  不幸中の幸い、と言うべきか。こんなんでは奴を憎んでも憎みきれないな。まぁ、今は感謝しておくとしよう。  俺、村田 光國がトイレに入ってきたのは三限目が終了してすぐだ。俺はトイレの個室の一番手前に入った。入ってすぐに誰かがトイレに入って来た。個室の隙間(隙間と言っても、外から見える仕様になっているわけではない。仮に、中で用をたしている俺も丸見え、というのは中外どちらにとっても迷惑極まりない。なので中から見える、とは言ったものの、それはよくて雰囲気程度にしか分からない)からは白い影が通り過ぎるのが薄らと見えた。  まぁ、おそらく生徒だろう。  そんな事を考えてはすぐに用を足す事に集中する。すると、すぐにまた誰かがトイレの個室のどこかに入った。トイレは静かだった。  しかし、その静けさは馬鹿ども(俺の不良性と達の総称)のせいで掻き消された。すると、その馬鹿どもの一人があろうことか私の隣の個室に入って来た。
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