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馬鹿どもは散々騒いでいった挙げ句に個室の一人を残して去っていった。
はぁ…
はぁ…
?
誰かが同じタイミングでため息をついた。俺と同じように思ってる奴がこの個室のどこかには居るのか…気が合いそうだ。ほんの少しだけ嬉しかった。
その少し後に俺はあの密告(まぁ、実質的には密告ではないが)を盗み聞く事になった。
そもそもの原因は、校長が京都で買ってきたとされる八ッ橋を貰った事だった。校長が京都にある姉妹校に出張するとあって副校長が土産を買ってくるように哀願していた。
図々しい奴だ。しかも八ッ橋が好きというところがまた腹立たしい。
各教科の教職員に一箱ずつ配られたその八ッ橋を、俺は遠慮なく頂いた。 その味はやはり流石であった。奴が喰うにはもったいない。
しかし、その八ッ橋を食ったせいなのかどうかはわからんが、腹痛を起こしてしまったのだ。
災難なことに腹にあたつてしまった八ッ橋に因果はないだろう。あるとすれば、副校長、貴様だ。そもそもが貴様の哀願からなのだ。
どう責任をとってくれようか。
まぁ、今回の件で俺が次期副校長の座に一歩近付いた、と鑑みれば、俺としては感謝感激万々歳なわけだ。
さぁ、俺が無事(副校長としては無事ではないが)200万を探しだし、貴様を解任させてやる。
とりあえずこの密告を盗み聞いた者が他にいるからな。そいつらの素性を知っておかなければ。先を越されてはたまったもんじゃないからな。
どうしたらいい?
菅谷に聞くか?
いやいや、俺は同じ数学科のあいつが好きじゃないし、あいつも俺を好いてはいないだろう。そう考えるとやめた方がいいな。というか副校長と菅谷には聞くべきじゃないだろう。トイレでの密告を盗み聞いていた事をわざわざ奴らに教えることになってしまう。それは駄目だ。あくまでも俺は寄付金200万が紛失した事を知らない者、として動かなければいけない。
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