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 僕、米田 美鶴がトイレに入ってきたのは確か三限目と四限目の間にある休み時間。僕が入ってきたときは至極静かだったが、一番手前側の個室に誰かが入っていた。僕はこのとき、一番奥でなくて良かったと存心嬉々としていた。歩く度に革靴の底がコツコツと鳴っている。一人でトイレに入ってきて、誰かが個室で用を足しているときほど気まずいものはない、すくなくとも僕はそう感じる。一番奥の個室に入ってズボンも降ろさずに便座に腰掛けて携帯を(ゆっくりと)開く。  うむ、変わり無し。  今日もゼロ。  コミュニティの人数が変動していないのを確認して、ふと腕時計を見た。   -11:34-  僕が時計を確認していたときだった。誰かが隣の個室に入ってきた。  ガチャン  鍵の音。  カチャカチャ  バックル。  ドン  着席。  うむ、やはり少し気になって落ち着かない。
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