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 隣の個室に人が入ってくるのは至極落ち着かない。  誰だろう?  そんなことを考えたが、そんなのは考えても仕方が無いし、ましては外に出て少し待てば分かる事なので雲散霧消に消えていった。  今現在、僕のコミュニティに参加してくれている人数は両手で数えられる程度しかいない。まぁ、何のコミュニティなのかは、あえて伏せておくことにしよう。その理由もここではいえない。僕は世間の恥曝しにはされたくないし、なるつもりもない。  ふと腕時計を見る。  -11:35- まだ一分しか経っていなかった。  トイレの入り口の方から何やら騒々しい輩が入ってきた。彼らは散々と生徒や教職員の頤を叩き、一人は個室に後の何人かはそのまま小便器で用を足している様だった。声を聞く限りで分かった事は、まずチャラい奴である事と、どこかで一度は見ているであろうという事。何処となくその声に聞き覚えがあった。すると、個室の男が長くかかりそうだから、と他のチャラ男達に先に教室に帰るよう促した。  ふむ、懸命な判断である。  長くいてもらってはこちらの気が落ち着かないし、何より煩わしい。  僕は用を足しに来ているのではない、自分の時間を大切にしたいのだ。こんな事を存心で思っている事を口外すれば、おそらく壮大に引かれるだろう。  でも僕はそんなヘマしない。まぁ、僕は今ここで僕の口の堅さを驕矜したいわけじゃない。  また個室に人が入って来た。腕時計を見る。  -11:36-  …  今日はよく人が用を足しにくる日だ。至極迷惑だ。僕の貴重なマイタイムを…    やっとトイレが静かになった。  うむ、トイレはこうでないと。
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