溺れる者は何でも掴む

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溺れる者は何でも掴む

「おいガク、 お前は夏休み何すんの?」 いつの間にか昼飯の時間になり、 テキトーな奴らと机を囲んで弁当を食べていると友達の一人に突然言われた。 「ガクは帰宅部だから遊びまくりか?」 ちなみにガクとは、 当時の俺のあだ名。 俺の名前、 水川学の『マナブ』をどっかのアホがガクと読んだのが始まりだった。 「そーなっちまうかな。ま、部活組は頑張ってくれや」 確かあと一週間で夏休みだったか…。 予定がなさすぎて全然楽しみじゃなから、 よく覚えてないが。 まぁそれくらいだろう。 と、そんな事を考えている時だった。 バシャーン 普段、俺の前の席に座っている女子が金属製の水筒を派手に落としやがった。 それだけなら可愛いもんだが、 中のお茶がこれまた派手に俺の足元にかかった。
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