プロローグ2 弓に愛された男

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「ひけー!! ひけー―――!!」 「城門へ急げー!!」 「ぐあっ!」 「戦うな! 囲まれるぞ!」 「くっ、奇襲とは姑息な……」 「がっ!」 「こんなところで……」 「うおおおおっ!!」 「ひけー―――!!」 怒号と悲鳴に包まれた戦場、 アナトリア。 バルバロイの侵略戦。 連合軍の防衛戦。 その戦争の最前線では、連合軍の兵士が全力で城まで逃げだしていく。 バルバロイの奇襲。 しかし、それはバルバロイ側にとっても予想外のことだった。 もともと、『バルバロイ』という言葉は、ギリシャの人々が言葉の通じない外国人を差別するためにつけた名前であり、言葉が通じなければ全てバルバロイ。つまり、敵は一つのグループだけではないのだ。 連合軍が前線を退けたのはペルシャ軍であり、奇襲をかけてきたのはアマゾン軍であった。 そんなことを連合軍は知る由もなく、勝利に浮かれていた所にいきなり退けたはずのバルバロイが来たため、浮足立ち、戦闘できる状態ではなかった。 そして、それを見た現場の指揮官が即座に撤退命令。 アナトリアの城まで逃げる道を選んだのだ。 もちろんアマゾンは追撃をし、可能な限り殺戮と強奪を繰り返す。 どんどん沸いて来るアマゾンに、連合軍は逃げるしかなかったのだ。  
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