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レオンティウスとゾスマは、同じ宮廷で育った幼なじみだ。歳が近い者が少ない中、レオンとゾスマともう一人、レグルスは毎日いっしょに遊んでいた。
二年前のレオンの二十歳の誕生日を機に、レオンは国王に、ゾスマとカストルは重臣に即位した。
それ以来三人は仲は良いままだが、それぞれ国のために動くようになっていったのである。
それぞれの意識に微妙な違いはあるのだが。
「私は自分の自由を捨てるつもりはないぞ」
以前レオンがゾスマとカストルに言った言葉だ。
レオンは最も国のことを考えなければならない立場にいる。しかし前国王である父・デメトリウスは、全力で国のために働いていたため、自分を殺して生きていた。
それを間近に見て育ったレオンは、自分はああなるまいと決意したそうだ。
「国のことは第一に考える。だが、自分のこともそれと同等に考えていく。なぜ俺が犠牲にならなきゃならないんだ。自分も楽しみながら、国を栄えさせることもできるだろうに。だから俺は父上のようにはならない。自分を持ち続けるぞ。それが、俺の信念だ」
それは一見、甘い考えのよう聞こえるが、この二年はそれを通してきていた。
忙しい時には国に精一杯つくし、安定している時は雑務を適当な人に任せて自分は息を抜く。
まぁ、その雑務はほとんどゾスマの元へ向かうのだが。
こうして、レオンは自分の信念を曲げないまま、国王として周りからの信頼を集めていた。
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