独りの時間

3/14
10668人が本棚に入れています
本棚に追加
/278ページ
紙袋をテーブルに置き それを眺めながらビールを飲む 突然… なんやアンタ帰ってたんかいな!! と このタイミングでオカンが部屋に来た 普段オレは 母屋の隣に建ってる 平屋の別宅に住んでて オカンがそこにオカズを運んでくれてたりする そのオカズにネットをかける為に部屋へと来たみたいやけど…… 素晴らしくタイミング悪い オカン 『あれ? 真美ちゃんは?』 …来てない オカン 『昨日も来てへんだやろ?』 …うん オカン 『体調悪いんか?』 …ん~ 最近寝不足やとは言うてた オカン 『そ~か… あ! ほなアンタ渡しといて そのポーチ』 …うん……… オカン 『裕三やで! 裕三!!!』 …は? 誰それ オカン 『グッチやグッチぃ! グッチ裕三!笑』 ………… オカン 『笑わんと勿体ないで~』 …分かったから ちゃんと渡しとくし オカン 『頼んだで! あの子にはいつも世話なってるしなぁ~ お礼とかやないねんけど 化粧ポーチぐらいなら あっても邪魔にはならんやろ!』 …うん オカン 『それと… 肉じゃがまだ残ってるさかい… 食べるなら取りに来な』 …分かった 鼻歌うたいながら出て行ったオカン オカンの中では 寝不足の真美が今日も家で休んでる… そんな感じなんやろぅ すると… 何かを忘れたように戻ってきたオカン アンタ…… あの子にお見舞い持って行くなら 早い方がエェで 治るまでに行ってきや アホみたいに 1人でビールばっかり飲んでたらアカンで それだけを言って 再度立ち去った オカン…… 流石オレのオカン なんとなく気付いてるんかなぁ
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!