親父

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空が薄ら明るくなりかけた 午前5時過ぎ 比較的に初心者向けな岩場に到着 荷物を下ろし運んでゆく 折り返しで運んでる途中 オトンは2本の竿を出し仕掛けの準備を始めた そして 荷物も全て運び終えたところに 仕掛け準備終わった竿を指さし これ使え と 今度は自分の竿の仕掛けを準備してる 餌は? オトン 『それ… ゴカイかサナギ』 どっちが釣れんの? オトン 『なにが?』 いや…チヌ オトン 『アホか! お前如きが釣れるよ~なタマちゃうわ!!』 (アンタ……チヌ釣り言うたやん) 了解 オトン 『なんかが釣れる』 う………了解 無茶苦茶か…! オレもチヌ釣りたかったのに…… そ~こ~してたら オトンの仕掛け準備も終了 あとは黙してただ竿を浸すのみ はぁ…… それにしても静かや… 風も無く波も荒れてない 微量な波の音と 遠くの国道から聞こえるトラックの走行音が微かに聞こえるぐらい だから 気まずい…… 静寂の中で会話が無い しかも このオッサンとやから 非常にやりにくい ホンマに… なんでついて来たんやろ… そんな疑問と気まずさの中でこのオッサンいきなり 我が耳を疑うような しかも 予想だにしてなかった質問を静かぁ~に投げかけてきた お前……… なんで真美と別れたんや…
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