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ゲートの先は、異様な静けさが漂っていた。少し歩けば別れ道に差し掛かる
ガイストは、鞘に手をかけながら、周囲を警戒し、ゆっくり、ゆっくりとスリ足で前へと進んでいく
『ははは、何もいないっすよー!!』
ガイストは俺達の方に振り向き、笑いながらそう言った
しかし、笑うガイストの前に、赤く鋭い眼光がギョロギョロと動いていた
『ガイスト!! 前!!』
俺は咄嗟に声を張った
『え?』
『キン!!』
金属音が響いた
『こ、こいつ!! いつの間に』
俺の目の前には、赤く光る目に、腹は青く染まった、長い2本の濁った牙が突起している、先ほどゼノさんの口から出された、邪公という化け物が、ガイストと対峙していた
『グゥゥゥ!! グガァ!!』
邪公は手に力を込め、ガイストを捩伏せようとしていた。間一髪、剣で反応出来たガイストだが、不意を突かれた為か、邪公に押されている
『ちっ、今行くぞガイ・・・』
ガイストの元へ向かおうとしたが、ゼノさんに行手を封じられた
『な、ゼノさん!! 通してください!!』
しかし、ゼノさんは、ガイストの方を見ながら、ゆっくり首を横に振った
『1stになりたいのなら、あれぐらいの危機は簡単に対処出来なきゃ駄目でしょ?』
ゼノさんは、冷酷とも言える程の微笑を浮かべ、腕を組ながらガイストを観察するかのように見ていた
ゼノさんの言葉に渋々納得した俺は、これがガイストにとって、1stへの最初の試練だと思い、ゼノさんの隣で、その様子を伺うことにした
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