1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
私は店を出た。
車に乗り彼のことを思い出していた。
車は気持ちと反対に軽快に道を進んでいった。
また会えるかな…なんて溜め息混じりに考えていた
数分して、救急車の音が耳についた。
私を載せた車は、交差点で止まった。
目の前では衝突事故がおきたらしい。
混み合う車の間からみた光景は信じられないものだった。
バイクの車体からは液体が、絶え間なく流れていた。
そこにはぐったりと倒れた彼がいた。
心臓マッサージを受けて、日焼けしていたはずの彼の顔は真っ白だった。
その日の雲は灰色で太陽を隠すように、私の目の前に広がっていた。
名前も知らないあなたは、いまどうしていますか?
━━━━━━━end
最初のコメントを投稿しよう!