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渇いた躰に強く口付けて
喉を引き裂いた爪で
私の世界をワインで染めあげて
潤うことない地面を指先で描いて
川の行く手を創って
旅路を遮らず 流して 導いて
止まる事など学んだ覚えはない
人に流される事、学んだわけじゃない
意志を貫くことただの我が儘じゃない
言葉にすること程、勇気がいることはない
乾燥した唇に 一滴の泉を
与えてくれたのは誰だろう
頬を伝う最後の 一滴の想いを
拭ってくれたのは誰だろう
遠い昔のこと思い出した
丸い水槽の中を『くるりくるり』と…
渇いた躰に強く口付けて
喉に流れる水を飲み干した
混沌の中で溺れる魚は
女神の手のひらの上で息をひきとった
夢を追いかけること理想の始まりで
現実に振り返ること、悪夢の鬼ごっこ
鼻につく臭いを 纏う腐臭を
貴方は洗い流してくれたのだろう
覗き込んだ湖 揺らめく夜明けの影
月は哀しみと塵となるのだろう
産まれて最初に口にしたネクタル
とても優しい味がしたんだ
潤うことない地面を指先で描いて
悲嘆の流れを受け停めて
土砂に埋もれた蓮の花は
黒い涙に染まり踏みつぶされた
産声が始まりの合図
波の音は微弱で
激流が鼓動を呑みこんだ
額に滲む汗
滴り落ちて波紋
水分が躯から蒸発する
渇いた躰に強く口付けて
喉を引き裂いた爪で
私の世界をワインで染めあげて
潤うことない地面を指先で描いて
川の行く手を創って
旅路を遮らず 流して 導いて
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