暖炉の少女~灰かぶり~

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暖炉の少女~灰かぶり~

広い冷めた部屋にある 小さな暖炉 そこが彼女の部屋 赤色の石で積み上げられた 小さな部屋 そこに震える聖女 浴びる罵声 溺れる暴力 弱るのは躰だけではありませんでした 増える痣 こぼれる涙 傷付いたのは躰だけではありませんでした -私は魔女を燃やしました- 過去は幸せでした 最大の愛を求めて魂はさまよい 押しつぶされた心を戻そうと 罪を犯しました 笑うことを忘れた少女は 今日も白い灰に抱かれ眠るのでしょう 黒い錆びた部屋にある 冷めた暖炉 それが彼女の檻 のびる手 滲む血 壊れたのは躰だけではありませんでした -私は悪魔を燃やしました- 幼い頃は幸せでした 最大の愛に包まれ魂は満たされ このままハッピーエンドで終わると信じてました なのに… 私に触れる者は、私を汚す者は灰になりました 暖炉の炎は勢いよく、紅く燃え上がる それを見て彼女は何を想うのでしょう 過去は幸せでした 最大の愛を求めて魂はさまよい 押しつぶされた心を戻そうと 罪を犯しました 笑うことを忘れた少女は 今日も白い灰に抱かれ眠るのでしょう -私は大切なモノを燃やしました-    
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