30人が本棚に入れています
本棚に追加
残り香だけたよりに
過ぎ日想えば
僕は弱く
枯れるまで只泣きました
帰る場所は違うけど
傘は一つしかなくて
僕は濡れたくないから
さよならしました
紫陽花の花が咲くこの道の
角を曲がったら
君の部屋まで
僅かな距離
距離が今は遠く
少し伸びた
睫毛にかかる前髪も
かきあげる手
爪を彩る紫も
僕の知らない君を
一つ見つける度に
一年という月日を
只、悔やみました
再会の朝に見たそれぞれの
暮らし 背負うもの
上手く笑えない
僕は僕と
後悔の渦へ
「またね。」と手を振って振り返る
薬指には
日焼けの痕
優しい嘘は
最初で
最後の
紫陽花の花が咲くこの道の
角を曲がったら
君の部屋まで
僅かな距離
距離が今は遠く
最初のコメントを投稿しよう!