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それは、三日前の朝食時…
「ラスティア、二十歳になったら結婚してくれと、前々から言っていたな。」
「ぶふうっ…!!」
そう父に突然話題を振られ、ラスティアは今口にしていたスープを思い切り吹き出した。
「なっ何ですか、陛下。突然そのような…。」
全く気味が悪いと、ラスティアはまだ少々むせつつ、父を見た。
「だから、陛下と呼ぶのはよしてくれと言ったろ…。」
うんざりしたような父の顔を見て、ラスティアの眉間に一気に皺がよる。
「お言葉ですが、陛下。私だって使いたくて使っているわけではありません。ですが、」
そこでラスティアは一息つくと、口直しに紅茶をすすった。
そう、本当はラスティアだってこの愚父を「陛下」などと忠誠を尽くした言い方で呼びたくはない。
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