─act.1─

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妻となったジャスミーネ皇后は、酷い遊び人であった。 彼女は翌年一人子供を儲けると、その後ギャンブルに明け暮れ、その身をきらびやかな衣装で包んだ。 夫であるビルホルム王は、元来気弱な性格であったため、妻に注意を促すものの、無意味な物に終わった。 そして、極めつけは彼女が一人の有能な臣に諫められ、激昂し、夫に死刑を促した事にある。 いくら気弱な王であっても、小さい頃から世話になった彼を処刑する事だけは出来なかった。 しかし、処罰無しでは妻の怒りが収まらない、そこで彼には無実の罪で国外追放を命じた。 そこからはまさに坂を転がり落ちる様だった。 先の国外追放の件で味を占めた皇后は、次々と有能な臣達を国外追放にし、政権は完全にかつての反王国派に移った。 こうして、ラスティアの物心付いた頃には目も当てられない程に国は荒れ、元の面影が見えない程に貧しくなり、あちこちで反旗が上がっていたのだ。
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